川口市を中心に埼玉県南部には「国を持たない世界最大の少数民族」であるクルド人が2000人以上住んでいるといわれています。トルコから逃れてきて難民申請をしている人が大半ですが、これまでに認定された人はひとりもいません。日本の難民認定率は0.4%(2019年)と非常に低い状態です。6月20日は「世界難民の日」です。しかし、難民申請をしている人が身近にいることを多くの人は知りません。長年在日クルド人との交流を続けている人たちがいる一方で、文化の違いなどから誤解や摩擦が生じる場面も見られます。彼女・彼たちがなぜ日本に来たのか。どのように生き、何を思いながら日々暮らしているのか。川口市・蕨市で暮らす在日クルド人の等身大の姿をまずは知っていこうという思いから、クルドコミュニティのあるこの場所で展覧会を企画しました。4名の作家の視点を中心に構成する本展を通じて、わたしたちが共に生きる意味を考えるきっかけとなれば幸いです。